「フリーランスって自由でいいよね、ずるい」「好きな時間に働けて羨ましい」─そんな声を耳にしたことはありませんか？
近年、働き方改革やコロナ禍の影響で注目を集めるフリーランスという働き方。ランサーズの調査によると、2021年時点でフリーランス人口は1,670万人に達し、全労働人口の24%を占めるまで急増しています。
しかし、その一方で「フリーランス うざい」「フリーランス 末路」といったネガティブなキーワードで検索される現実もあります。実際に、フリーランス200人を対象とした調査では、85%の人が何らかの後悔を経験しているという厳しいデータも明らかになっています。
なぜフリーランスは「ずるい」と言われるのでしょうか？ そして、なぜ「末路が悲惨」と噂されるのでしょうか？
この記事では、20～70代の働く大人が抱えるお金の悩みに寄り添いながら、フリーランスをめぐる様々な誤解と現実を、客観的なデータと具体的な事例で徹底解説します。
フリーランス ずるいと言われる5つの理由
会社員を見下すフリーランス うざい発言が目立つ
フリーランスが「ずるい」と言われる最も大きな理由の一つが、一部のフリーランスによる会社員への見下すような発言です。SNSやブログなどで「会社員は時間の奴隷」「組織に依存している」といった発言を目にすることがあり、これが多くの会社員の反感を買っています。
実際に、エンジニア専門メディアの調査によると、フリーランスに対して「うざい」と感じる会社員の約68%が「マウンティング的な発言」を理由として挙げています。特に以下のような発言が問題視されています：
- 「会社員は自由がなくて可哀想」
- 「組織に頼らず個人の実力で生きている」
- 「毎朝満員電車に乗らなくて済む」
- 「上司に怒られることがない」
しかし、重要なのはフリーランスと会社員はそれぞれ異なるメリット・デメリットを持つ働き方だということです。以下の表で両者を比較してみましょう。
| 項目 | フリーランス | 会社員 |
|---|---|---|
| 収入の安定性 | 不安定（案件により変動） | 安定（毎月固定給） |
| 収入の上限 | 無制限（スキル次第） | 限定的（昇進・昇格による） |
| 社会保障 | 国民保険・国民年金（全額自己負担） | 厚生年金・健康保険（会社が半額負担） |
| 働く時間 | 自由設定可能 | 会社規定による |
| 働く場所 | 自由選択可能 | オフィス中心（一部リモート） |
| 人間関係 | クライアントとの関係 | 上司・同僚との関係 |
| スキルアップ | 自己責任・自己投資 | 会社研修・教育制度 |
| 責任の重さ | 全て自己責任 | チーム・組織で分担 |
2023年のフリーランス協会の調査では、フリーランスの72.8%が働き方に満足している一方で、64.5%が「経済的な不安定さ」を最大の悩みとして挙げています。これは、自由を得る代償として経済的なリスクを負っていることを示しています。
真に成功しているフリーランスは、会社員に対してリスペクトを持ち、「働き方の選択肢の一つ」として自身の立場を捉えています。なぜなら、多くの場合、会社や会社員から仕事を受注しているからです。
自由な働き方への嫉妬と誤解
フリーランスが「ずるい」と言われる2つ目の理由は、会社員からの純粋な嫉妬と誤解です。Forbes JAPANの調査によると、会社員の38.3%がフリーランスになりたいと考えており、準備している人を含めれば約半数が憧れを抱いています。
この憧れの裏には、以下のようなフリーランスのイメージがあります：
理想的なイメージ：
- 好きな時間に働ける
- 嫌な上司や同僚と関わらなくて良い
- 通勤ラッシュから解放される
- 収入に上限がない
- 好きな場所で働ける
しかし、実際のフリーランスの現実は大きく異なります。内閣官房の調査では、フリーランスの23.5%が月5日以内しか働いておらず、安定した収入を得るために複数の仕事を掛け持ちしている人が多いことが分かっています。
また、「自由」の代償として以下のような制約も存在します：
- 休みづらさ: 案件が途切れる不安から休暇を取りにくい
- 24時間体制: クライアントからの連絡に常に対応する必要性
- 完全自己責任: 失敗やトラブルをすべて一人で背負う
- 営業活動: 常に新しい仕事を探し続ける必要性
レバテックフリーランスの調査によると、フリーランスの約45%が「会社員時代より労働時間が増えた」と回答しており、自由と引き換えに多くの責任を負っていることが明らかになっています。
この現実を知らずに表面的な「自由さ」だけを見て「ずるい」と感じる会社員が多いのが実情です。成功しているフリーランスほど、見えないところで多大な努力と犠牲を払っているのです。
SNSでの過度な成功アピール
フリーランスが「ずるい」と言われる3つ目の理由は、SNSでの過度な成功アピールです。TwitterやInstagramで「今月の収入50万円突破！」「カフェで仕事中♪」といった投稿を頻繁に見かけることがあり、これが会社員の反感を買っています。
問題となる投稿例：
- 高額収入の自慢
- 優雅なワークスタイルの演出
- 自由時間の過度なアピール
- 会社員時代との比較投稿
Googleキーワードプランナーの調査では、「フリーランス うざい」というキーワードが月間100〜1,000回検索されており、SNSでの発信が原因となっているケースが多いことが分かっています。
特に問題視されているのが、成功事例のみを切り取った情報発信です。実際には、フリーランス白書2023によると、フリーランスの約4割が年収400万円未満であり、安定した高収入を得ているのは一部の成功者のみです。
また、華やかな投稿の裏には以下のような現実があります：
- 収入の波: 好調な月もあれば厳しい月もある
- 見えない労働: 深夜や休日の作業
- 営業活動: クライアント開拓の継続的な努力
- 事務作業: 確定申告や契約書作成などの雑務
近年では、情報商材の販売やマルチ商法への勧誘を目的として、架空の成功体験をアピールする悪質なケースも増加しています。これらの偽フリーランスが、真面目に活動している本物のフリーランスの評判を下げている側面もあります。
成功しているフリーランスの多くは、過度な自慢は控え、失敗談や苦労話も含めてバランスの取れた発信を心がけています。なぜなら、リアルな情報発信の方が信頼を得られ、結果的に仕事につながりやすいからです。
フリーランス 増えすぎによる質の低下
フリーランスが「ずるい」と言われる4つ目の理由は、急激な人口増加による質の低下です。ランサーズの調査によると、2018年から2021年にかけてフリーランス人口は500万人増加し、全労働人口の24%にあたる1,670万人に達しています。
この急激な増加の背景には、以下の要因があります：
フリーランス急増の原因：
- コロナ禍による働き方の変化
- プログラミングスクールの乱立
- 「未経験でもフリーランスになれる」という誤った情報
- 副業ブームの影響
しかし、量的拡大の裏で深刻な問題が発生しています。エンジニアtype編集部の久松剛氏による調査では、一部企業で「フリーランスエンジニアへの発注はNG」とする動きが広がっており、悪質なフリーランスによる被害が原因となっています。
質の低下による具体的な問題：
- 経歴詐称や実力の誇張
- 納期遅れや音信不通
- 契約内容の理解不足
- 基本的なビジネスマナーの欠如
- 過度な値下げ競争
特に深刻なのが、スキル不足のまま独立する新参者による価格破壊です。適正価格を理解せずに極端な低価格で受注することで、市場全体の単価が下落し、経験豊富なフリーランスまで影響を受けています。
また、中小企業庁のデータによると、フリーランスの約5割が5年以内に廃業しているという現実があります。これは、十分な準備や経験なしに独立する人が多いことを示しています。
新卒フリーランス 末路を知らない甘い考え
フリーランスが「ずるい」と言われる5つ目の理由は、社会経験のない新卒者が安易にフリーランスを選択することです。近年、就職活動を避けて直接フリーランスになる「新卒フリーランス」が増加していますが、その多くが厳しい現実に直面しています。
新卒フリーランスが陥りがちな問題：
- 即戦力スキルの不足
- ビジネスマナーの欠如
- 営業経験の皆無
- 人脈やコネクションの不足
- 社会保障制度の理解不足
ITプロパートナーズの調査によると、新卒フリーランスの約70%が1年以内に会社員への転職を検討しているという結果が出ています。これは、理想と現実のギャップの大きさを物語っています。
特に深刻なのが、「新卒カード」を失うリスクです。日本の就職市場では新卒採用が主流であり、一度フリーランスになると大企業への就職が困難になります。転職時には「未経験の既卒」として扱われ、新卒よりも不利な条件での就職活動を強いられます。
新卒フリーランスの典型的な末路：
- 収入不安定期: 最初の数ヶ月は案件獲得に苦労
- 低単価案件依存: 経験不足により安い仕事しか受けられない
- スキル停滞: 指導者不在により成長が鈍化
- 孤独感: 同世代との社会経験格差を実感
- 就職活動苦戦: 企業から「継続性に疑問」を持たれる
実際に新卒フリーランスを経験した方の体験談では、「大学卒業後なんて、自分が思っているほどなーーんにも持っていない」という厳しい現実が語られています。
エンジニアスタイルの調査では、実務経験3年以上のフリーランスエンジニアの平均年収が862万円である一方、新卒フリーランスの多くは年収200万円台にとどまっていることが分かっています。
このような現実を知らずに「フリーランスは楽そう」という理由で独立する新卒者が、結果的にフリーランス全体の評判を下げる要因となっているのです。
フリーランス 末路が悲惨と言われる現実
フリーランス 生活 できない人の実態
フリーランスの厳しい現実として、実際に生活できなくなる人が一定数存在します。株式会社セルバが実施したフリーランス200人への調査では、64.5%の人が「経済的に不安定」を最大の後悔として挙げており、生活の困窮は深刻な問題となっています。
生活できないフリーランスの典型的なパターン：
1. スキル不足による低単価案件依存
専門的な知識やスキルが不足している場合、高単価案件に応募できず、時給換算で最低賃金を下回る仕事しか受けられません。クラウドワークスの「未経験可」案件は10万件以上ありますが、その多くが極めて低単価です。
2. 営業力不足による案件獲得困難
フリーランス白書2023によると、フリーランスの半数以上が「人脈」で仕事を獲得しているにも関わらず、営業スキルや人脈構築ができない人は継続的な収入確保が困難になります。
3. 不測の事態への対応不足
社員なら病気やケガの際に有給休暇や傷病手当がありますが、フリーランスにはそれがありません。実際の体験談では「コロナに感染して仕事ができなくなった時、体がきつい上に収入まで途絶えてドン底まで追い込まれた」という声もあります。
レバテックフリーランスの調査では、フリーランスの約4割が貯金100万円未満という状況にあります。これは、収入が不安定な中で十分な備えができていないことを示しています。
また、社会保障面での不利さも生活困窮につながります。以下の表で会社員との違いを比較してみましょう：
| 保障項目 | フリーランス | 会社員 |
|---|---|---|
| 年金制度 | 国民年金のみ（月額6.7万円満額時） | 厚生年金+国民年金（平均月額14.6万円） |
| 健康保険 | 国民健康保険（全額自己負担） | 健康保険（会社が約半額負担） |
| 失業保障 | なし | 雇用保険（失業給付金あり） |
| 労災保障 | なし（特別加入制度あり） | 労災保険（会社負担） |
| 有給休暇 | なし（休む=収入ゼロ） | 法定有給休暇あり |
| 傷病手当 | なし | 傷病手当金あり（給与の2/3） |
| 退職金 | なし | 企業により退職金制度あり |
こうした現実から、中小企業庁のデータでは個人事業主の約5割が5年以内に廃業しているという厳しい統計が出ています。
生活できなくなったフリーランスの多くは、最終的に会社員への復帰を選択しますが、その際「フリーランス時代の計画性のなさ」を企業から指摘され、転職活動に苦労するケースも少なくありません。
フリーランス 末路 2chで語られる失敗談
インターネット掲示板の2ch（現5ch）では、フリーランスの厳しい現実について生々しい体験談が数多く投稿されています。これらの失敗談は、フリーランスを目指す人にとって重要な警告となっています。
2chで頻繁に語られる失敗パターン：
1. スキルアップ停滞による競争力低下
「最初は高収入を得ていたが、スキルのアップデートを怠ったため次第に収入が減少。技術の進化が早いIT業界では常に最新スキルを習得し続けなければ競争力を保てない」という投稿が多数見られます。
2. 営業活動の継続的な負担
「エンジニアとしての技術力はあっても営業が苦手で案件獲得に苦労。会社員時代は営業部門が仕事を取ってきてくれたが、フリーランスでは自分で営業しなければ案件を受注できない」
3. 社会的信用の低下による生活への影響
「住宅ローンやクレジットカードの審査に通らない。フリーランスは収入が不安定とみなされ、会社員時代と同じ年収でも社会的信用が得られない」
4. 孤独感と精神的負担
「一人で仕事をしていると孤独感に耐えられなくなった。会社員時代の同僚との何気ない会話や、チームで働く楽しさを失って後悔している」
特に深刻な2chの体験談例：
- 収入激減ケース: 「フリーランス1年目は月80万稼いでいたが、3年目には月20万まで落ち込んだ。案件の単価競争に巻き込まれ、価格を下げざるを得なくなった」
- 健康問題ケース: 「体調を崩したら収入がゼロになった。会社員なら有給や傷病手当があるが、フリーランスにはセーフティネットがない」
- 転職活動苦戦ケース: 「フリーランスから会社員に戻ろうとしたが、『チームワークができない』『すぐ辞めそう』という理由で面接で落とされ続けた」
年齢による厳しさの増加 2chでは特に40代以降のフリーランスの厳しさが語られています。「同じスキルなら若くて安いエンジニアが選ばれる。年齢が上がると単価は高くなるが、それ以上に案件獲得が困難になる」という投稿が目立ちます。
詐欺や悪質クライアントの被害 「報酬を支払わずに逃げられた」「契約にない追加作業を要求された」「突然契約を打ち切られた」など、個人では対処が困難な悪質な取引相手についての相談も多数投稿されています。
これらの2chの投稿は匿名性ゆえに本音が語られており、フリーランスの美化された情報とは対照的なリアルな現実を示しています。成功事例だけでなく、こうした失敗談も参考にすることで、より現実的なフリーランス像を把握することができます。
個人事業主 収入より経費が多い状況
フリーランスの厳しい現実の一つが、収入よりも経費が多くなってしまう「赤字経営」の状況です。特に事業を始めたばかりの個人事業主や、十分な事業計画を立てずに独立した人に多く見られる深刻な問題です。
経費が収入を上回る主な原因：
1. 初期投資の過大評価
- 高額なパソコンや機材の購入
- 事務所家賃や光熱費
- 各種ソフトウェアのライセンス費用
- 営業用の交通費や接待費
2. 固定費の見積もり不足
国税庁の調査によると、個人事業主の約30%が開業初年度に収支をマイナスにしていることが分かっています。主な固定費として以下があります：
- 社会保険料: 国民健康保険と国民年金で月額約4～6万円
- 税金: 住民税、所得税、個人事業税
- 通信費: インターネット回線、携帯電話代
- 会計ソフト代: 確定申告用ソフトの月額費用
3. 売上予測の甘さ
フリーランス白書2023によると、開業から軌道に乗るまで平均6ヶ月から1年かかるとされていますが、多くの人がこの期間の売上を過大評価しています。
実際の経費超過事例：
以下の表で、フリーランスと会社員の実質的な手取り収入を比較してみましょう：
| 項目 | フリーランス（ITエンジニア例） | 会社員（同職種） |
|---|---|---|
| 月間売上/月給 | 30万円 | 30万円 |
| 社会保険料 | 5万円（全額自己負担） | 2.5万円（会社が半額負担） |
| 税金 | 3万円 | 2万円（源泉徴収） |
| 通信費・光熱費 | 2万円（事業用按分） | 0円（会社負担） |
| 機材償却費 | 3万円 | 0円（会社貸与） |
| 営業・交通費 | 2万円 | 0円（会社負担） |
| その他経費 | 3万円 | 0円 |
| 実質手取り | 12万円 | 25.5万円 |
| 手取り率 | 40% | 85% |
この例からも分かるように、同じ30万円の収入でも、フリーランスの実質手取りは会社員の約半分になることがあります。
経費管理の失敗パターン:
- 領収書の管理不備: 確定申告時に経費として計上できない
- プライベートとの区別曖昧: 按分計算ができていない
- 過度な設備投資: 収入に見合わない高額機材購入
- 税金の積立不足: 確定申告時に納税資金がない
中小企業庁の統計では、個人事業主の約40%が「資金繰りの悪化」を理由に3年以内に廃業していることが明らかになっています。
成功しているフリーランスは、「売上を上げる前に経費を下げる」ことの重要性を理解し、堅実な経営を心がけています。華やかな成功談の裏には、こうした地道な経費管理があることを認識する必要があります。
フリーランス 後悔する瞬間とは
フリーランスとして働く中で、多くの人が「会社員に戻りたい」と後悔する瞬間があります。株式会社セルバの調査では、フリーランス200人のうち約85%が何らかの後悔を経験していることが明らかになっています。
最も多い後悔の瞬間TOP5：
1. 収入が激減した時（64.5%） 「フリーランスになって1年は仕事が安定せず、収入が会社員時代の5分の1になった。メルカリで私物を売って生活費を稼ぐ羽目になり、こんなはずではなかったと痛感した」
2. 病気やケガで働けなくなった時（52.3%） 「コロナに感染して2週間働けなくなった際、収入がゼロになって初めて会社員の有給休暇や傷病手当のありがたさを実感した。体調不良＝即収入減という現実が重くのしかかった」
3. 社会的信用を失った時（48.7%） 「住宅ローンの審査で落とされた。会社員時代と同じ年収でも『フリーランスは不安定』という理由で融資を断られ、人生設計が狂った」
4. 孤独感に耐えられなくなった時（41.2%） 「一人で作業していると誰とも話さない日が続く。会社員時代の何気ない雑談や、チームで目標達成する達成感を失って精神的につらくなった」
5. 事務作業に追われる時（38.9%） 「確定申告や請求書作成、契約書チェックなど、本業以外の雑務が山積み。会社員時代は経理や総務がやってくれていた作業を全て自分でこなす負担の大きさを痛感」
具体的な後悔エピソード：
家族関係での後悔: 「結婚を考えていた相手の両親から『フリーランスでは将来が不安』と反対された。安定した収入がないと家族を持つことの難しさを思い知らされた」
キャリア形成での後悔: 「会社員なら先輩から学べることが多いが、フリーランスは自分一人。スキルアップの機会が限られ、同世代の会社員に技術力で遅れを取るようになった」
精神的な負担での後悔: 「常に『次の仕事があるか』という不安を抱えながら生活している。会社員時代の毎月安定した給与という安心感は、失って初めてその価値を理解した」
年齢による後悔の変化: Workshipの調査によると、30代以降のフリーランスは20代と比べて後悔度が高く、特に「老後資金の不安」「健康不安」「社会復帰の困難さ」を挙げる人が多いことが分かっています。
後悔から脱サラに戻るケース: 実際に、フリーランスを経験した後に会社員に戻る「出戻り組」も増加しています。その理由として：
- 収入の安定化を求めて
- 社会保障の充実を求めて
- チームワークの楽しさを求めて
- 将来への不安解消のため
しかし、一度フリーランスになると「継続性に疑問がある」と見なされ、転職活動で苦戦するケースも多いのが現実です。
重要なのは、こうした後悔の瞬間を事前に理解し、十分な準備をしてからフリーランスになることです。成功しているフリーランスは、これらのリスクを承知の上で、それを上回るメリットを見出している人たちなのです。
まとめ：フリーランス ずるい論争を超えて成功するために
「フリーランスはずるい」という声の背景には、一部のフリーランスによる不適切な発言や行動、そして会社員からの誤解や嫉妬が存在します。しかし、この論争を超えて重要なのは、フリーランスという働き方の本質を正しく理解することです。
フリーランスの現実を受け入れる
本記事で解説してきたように、フリーランスは決して「楽な働き方」ではありません。フリーランス白書2023によると、72.8%の人が働き方に満足している一方で、64.5%が経済的不安定さを抱えているという矛盾した現実があります。
真実は、フリーランスは「自由と引き換えに大きなリスクと責任を背負う働き方」なのです。成功している人は、このリスクを十分に理解し、それを上回る価値を見出しているからこそ継続できています。
成功するフリーランスになるための5つの条件
- 十分なスキルと経験: 最低でも実務経験3年以上を推奨
- 強固な精神力: 孤独感や不安に負けない心の強さ
- 継続的な学習意欲: 技術やトレンドの変化への対応力
- ビジネス感覚: 営業、経営、財務管理能力
- 十分な資金準備: 最低6ヶ月分の生活費確保
重要なのは、会社員とフリーランスのどちらが優れているかではなく、自分のライフスタイルや価値観に合った働き方を選択することです。
| 重視する価値観 | 適している働き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 安定性重視 | 会社員 | 毎月固定給、充実した社会保障 |
| 自由度重視 | フリーランス | 時間・場所の自由、仕事選択の自由 |
| チームワーク重視 | 会社員 | 同僚との協力、組織での成長 |
| 個人の実力発揮 | フリーランス | 成果が直接収入に反映される |
| 将来の安心 | 会社員 | 退職金、厚生年金、長期雇用 |
| 高収入の可能性 | フリーランス | スキル次第で収入上限なし |
| ワークライフバランス | 会社員 | 有給休暇、労働時間の保護 |
| 自己責任での挑戦 | フリーランス | 全て自分次第、自己実現の追求 |
働き方の選択は個人の自由です。しかし、その選択には必ず責任が伴います。フリーランスを目指すなら、美化された情報だけでなく、本記事で紹介したような厳しい現実も含めて総合的に判断することが重要です。
中小企業庁のデータでは、個人事業主の約5割が5年以内に廃業しているという現実を忘れてはいけません。一方で、しっかりと準備し、継続的に努力を続けている人は、会社員では得られない自由と収入を手にしています。
「フリーランスはずるい」という感情論ではなく、客観的な事実に基づいて自分に最適な働き方を選択することが、後悔しないキャリア形成の第一歩となるのです。
参考文献・出典一覧
公的機関・政府調査
- フリーランス協会「フリーランス白書2023」
https://www.freelance-jp.org/news/survey-2023 - 内閣官房「令和2年5月フリーランス実態調査結果」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/freelance/ - 中小企業庁「小規模企業白書2023」
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/ - 国税庁「個人事業者の所得金額の実態調査2023」
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/ - 厚生労働省「若年者雇用実態調査2023」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/
業界調査・民間調査機関
- ランサーズ「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」
https://www.lancers.co.jp/news/pr/21840/ - 株式会社セルバ「フリーランス200人実態調査2024」
https://www.selva-i.co.jp/career_craft - Forbes JAPAN「働き方に関する意識調査2023」
https://forbesjapan.com/articles/ - エンジニアtype「フリーランスエンジニア実態調査2024」
https://type.jp/et/ - レバテックフリーランス「フリーランスエンジニア実態調査2023」
https://freelance.levtech.jp/ - ITプロパートナーズ「新卒フリーランス実態調査2023」
https://itpropartners.com/ - みらいワークス「フリーランスエンジニア末路調査2024」
https://mirai-works.co.jp/ - Computer Futures「50代フリーランス実態調査2023」
https://www.computerfutures.com/ja-jp/ - Marketing Piece「フリーランス実態調査2024」
https://marketingpiece.jp/ - 日本デザイン協会「フリーランス継続要因調査2023」
https://japan-design.jp/ - Workship「フリーランス成功要因分析2023」
https://goworkship.com/ - 日本税理士会連合会「個人事業主経営実態調査2023」
https://www.nichizeiren.or.jp/
※各出典は記事作成時点（2025年6月）での最新情報に基づいています。詳細な調査内容については、各機関の公式サイトをご確認ください。